歩き遍路の荷物の軽量化について
現在40日の野宿旅を続けて感じた歩きお遍路の荷物事情と12キロから7キロに軽量化した荷物事情について説明します。
荷物の軽さは歩き遍路旅の快適さに直結します。少しでも荷物を軽くするポイントを挙げていきたいと思います。
ちなみに私は歩き遍路通し打ちで40日経過。現在61番まで打ち終わりました。自分の歩いた道が遍路道だそうですので遅いとか早いとかは気にしません!
四国お遍路とは何か?
弘法大使、空海さんが歩いた道を歩く、巡礼の旅となります。四国88ヶ所の寺をを回ります。
方法や考え方は本当に人それぞれ。正解はありません。(旅の途中で言われました。)四国お遍路の詳しい内容は他のサイトをご覧ください。
どのように回るか。お寺を回る方法。
まず、お寺を回る方法ですが、
車(自家用車、タクシー、マイクロバス)など。車と一括りにしても、色んな方法で回っている人がいます。ツアーや友達同士で回る人もいました。
あとはバイク、自転車、これも排気量の違い、自転車もロードバイクで回る人、折り畳み自転車の人、ママチャリまで多様な周り方があります。
次は徒歩。徒歩組は大きく分けて区切り打ちと通し打ちか、宿ありか宿無しか、に分けられます。宿無しは野宿がメインという形になります。
次はチャリ遍路に興味があります。ママチャリギアなしは歩きより辛い気がする。
歩き遍路さんの荷物事情。
徒歩遍路の荷物は自分の体重割る10くらいが理想とされているようです。体重50キロの私の場合5キロ。テントを背負ってお歩く野宿お遍路さんにはハードルが高すぎますね。以下代表的な荷物リストを参考までにご覧ください。(重さはネット調べ、上位検索のもの)
装備一覧 | 重さ | 重さ | |
バックパック | 2,5kg | トレッキングポール | 250g |
チェストバッグ | 250g | 上着(防寒着) | 400g |
靴 | 700g | 膝用サポーター | 70g |
靴下 | 50g | 鈴・鐘(持鈴) | |
白衣 | 150g | 菅笠(帽子) | 200g |
コンプレッションタイツ | 150g | 金剛杖 | 300g |
パンツ(短パン) | 280g | 輪袈裟 | 40g |
折りたたみ傘(雨具) | 160g | 下着 | 70g |
手ぬぐい | 50g | インソール(中敷) | 30g |
手袋 | 100g | GPSウォッチ | 70g |
スマートフォン | 220g | 納経帳 | 400g |
腕時計 | 120g | 折りたたみマット | 310g |
ヘッドライト | 40g | サンダル | 200g |
数珠(念珠) | 30g | サングラス | 30g |
財布 | 150g | ボトルホルダー | 75g |
Tシャツ | 150g | 調理用品 | 800g |
短パン(部屋着) | 280g | 地図 | 300g |
虫除けグッズ | 200g | 寝袋 | 1kg |
ポンチョ(雨具) | 800g | テント | 1,5kg |
そもそも60Lの登山用ザック2、5kg、テント、1,5kg、寝袋,1kg。。。終了となります。
野宿者にとって軽量化は非常にハードルが高いように思います。
歩き遍路さん、テントを持っている方の荷物は15キロくらいあったよ。
15キロは重いです。登山をやっている方なら重くない!と言う方もいるかもしれません。しかしこれを背負って歩くのが30日以上続くと考えるとなかなかハードなわけです。そして雨なんか降られた日にゃ重さマシマシになります。
意外と若いお遍路さんに意外と多かったのがキャンプ経験なし、遍路の為に全て購入しましたという人も多い印象でした。
アウトドア用品店に行く前に、【ULキャンプ】【ウルトラライト】で検索をお勧めします。お遍路荷物紹介では紹介されない、野宿荷物軽量化の参考になるはずです!
なべいちさんの荷物事情。
さて、私はと言いますと、
歩き始めはトータル12キロほどでスタートしました。
ざっとこんな感じ、
これでも野宿メインにしてはコンパクト(自画自賛)同じ野宿の人にも褒められました。でも重い。
バックパックはノースフェイスのCHUGACH28(チュガッチ28)バックカントリースキー用のリュックです。1、2気室の使い方が選べ、トップと背面からアクセスが可能。ワイヤーフレームの入っているタイプです。重量約1,5kg。外付けもしやすいリュックでした。
背面がガバッと開くので目的の物にアクセスしやすい。フレームインタイプなので背負い心地も悪くありませんでした。でも重い。
野宿旅の荷物をコンパクトにするポイント
歩きのお遍路さん見ていると、明らかにテント泊メインなんだろうなという方は一目瞭然です。その方々の共通点として
- 元々のリュックが大きいイコール重い→軽量フレームレスのリュックの検討
- 容量の大きいリュックだからいっぱい入れちゃう。→それ本当に必要?用途被ってないですか?
- 物をそのまま入れている。買ったままの袋のままバックに入れている。→広げるときのことを思い浮かべてみてください。同じタイミングで出す機会が多そうなものは同じ袋に。100均の圧縮袋なんかも便利。
- 空いているスペース→クッカーだけ、メスティンだけ入れてませんか?その中に入るもの沢山あるはず!
買ったままの袋ではなく圧縮できる袋に入れるだけでテントもここまでコンパクトになります。
この辺だけでも考えられればもう少しコンパクトに、コンパクトになればもう一回り小さいリュックにパッキングすることも可能な気がしました。
あと物凄く大事だと思ったのは、物品の役割を考える事。1つの荷物にたくさんの役割を与える事。
サッカー日本代表、ポイチこと森保一監督。彼は選手にポリレント性を求めました。
歩き遍路、野宿の荷物にもこの考えが重要と思います。
※ポリバレント➡︎イビチャオシム元代表監督が使った言葉で複数のポジションをこなせる能力の意味
荷物軽量化のための考え方。
それではまず上着の軽量化を図っていきましょう。これが荷物変更前に持って行った上着です。
全部使いました。一軍のスタメンたちです。どれを削ろうか。。
- ノースフェイスダウンジャケット
- ノースフェイスレインジャケット(シェイクドライ)
- ノースフェイス山シャツ
- ナイキ長袖
- 半袖
上記5枚の上着を持っていきました。着用の機会が一番多かったのは④の長袖。常に来ていたのでスタメン確定。①の用途は防寒。②も防寒とレインウェア。③は防寒と町中着。⑤は半袖。山の中を歩くときや日焼けしすぎるとダメージが残るので④長袖の着用率が高かったです。
ここで注目したいのが「防寒」の用途のアイテムが3つある点です!
用途が同じものは削れるんじゃないか。。。
①のダウンジャケットが防寒のみの用途になっています。。この①ダウンの防寒を、②③④で補えないかと考えました。
①のダウンは冬は必須。でも②③を重ね着する事でこの季節の防寒なら対応できるのではないか?
よし、ダウン削ろう!!となります。
次はズボンです。
- レインパンツ(モンベル バーサライトパンツ)
- ランニングパンツ(ノースフェイス)
- ランニングタイツ
- ダウンソックス
- 短パン(グリップスワニーキャンプパンツ)
⑤の短パンと③のランニングタイツは歩く時必ず履いていました。
乾きやすいしポケットが沢山あるのでかなり優秀。畳めば薄くなるし、山を歩く時に半ズボンでは危険なので削れない。
②ノースフェイスの長ズボン。これはリラックスタイムに履いていることが多かったです。タイツが乾かなったときに、履いて歩いたこともありますが寝巻きとしての着用が多かったです。①レインパンツ、これは流石に雨の時用、防寒用に必要。④のダウンソックスは、屋根なしベンチ泊の時に2回だけ履きました。
さて、どれを削りましょうか。
目をつけたのは②のズボン。リラックスタイム、パジャマ用。これからの時期、暑くもなってくる。半ズボンで寝るのが不安な寒さの時はレインを履いて寝れば、という事でリラックスパンツを変更しました。④ダウンソックスも同じ理由で削除。あとは高い所に行く予定を日帰りできるようにスケジュールも調整しました。
装備一覧を見て、用途の種類、同じ用途をひとつにできないか、用途の優先度を考えると削れるものが出てくるかもしれません。
爆誕、UL野宿お遍ラー。
私は42日目時点で荷物を大幅に変更しました。アップデートというより抜本的改革です。40日野宿を続けた経験から荷物の見直しを行いました。
まず大きく変えたののはテントです。
歩き始める前は野宿旅なので絶対に自立式テント以外考えれられませんでした。
ただ、この野宿の日々を思い返すと、テントいらないなって事も多かったんです。その理由が
東屋のベンチ泊。これがなかなか良い。しかも意外と寝れる。恥ずかしいのは最初だけでしたね。
これは【四国】という土地柄も関係していると思います。四国は非常に遍路さんに優しい、そして東屋(遍路小屋)が多数あります。東屋があればベンチ泊メインでも行けるかなという感覚になりました。実際、野宿でテント持たないという方とも遭遇しました。
張る場所を限定されるタープですが、意外と張れるところも多かった印象。値段も5000円程度。ということで自立式テントからタープ泊に変更しました。
テントを持たないという事は人を頼ることを前提としているという意見もあります。自分自身で雨風を凌ぐ場所を作れる必要性はあると思います。
タープ泊のグランドシート。
ベンチに敷くこともできるし、防寒、防水にも使えるオールウェザーブランケットをグランドシートに。
やはり場面によってはテントで寝たいという場面も想定されます。また、2度ほどテント内浸水を経験したのでグランドシートは水に強いものを選びました。
タープ泊の虫対策はこちら!
ダイソーの扇風機カバーをかぶって虫対策です。防虫スプレーを振って着用して就床。効果ありです!
調理用品は中華版ジェットボイル(800g)➡︎メスティン(400g)に変更。
その他、イートイン食事充電を有効活用し45000mh➡︎15000mhへ変更。などで軽量化を図ります。
軽量化したことでバックパックの変更も可能に!
バックパックは通勤ランで使っていた
RUN WALK STYLEのYURENIKUI SETAROです。500g11リットル(サイドポケット4リットル)の物。かなり小さい。
バックパックに変更で11キロから5,7キロにUL化成功!!
本当はもう少し余力(バックパック内の空きスペース)が欲しいところですが外付けで対応します。
あともう一つ!私は車中泊生活をメインにしているのでテント以外は車内にあるもので変更しています。
遍路用品について
遍路用品については、持って行ったほうがいい物は多数ありますが、持っていかなければならないものはないと思っています。自分の場合は線香、蝋燭、経本は送り返してしまいました。
自分の場合、歩いてお参りをするということに重きを置いていたので、実際に自分の足で歩き、本堂、大師堂を参拝、読経をするということを行なっていました。
ですので遍路用品に関しては、納経帳、納め札、経本(自分で手書きの写経)のみを持ち歩いていました。
賛否両論あるかと思いますが、私は自分の足で歩くということを第一優先にしたためこのような持ち物になっています。
軽量化の功績
私は54日かけて結願しました。かなり遅い方なのだと思い出す。荷物を変更してから感じたことを思い出してみます。
歩くのが楽になった。
当たり前ですがこの恩恵は非常にありがたいのです。歩きお遍路は極端な話、歩くか寝るかです。一日の半分以上を歩くという行為に使っています。
その行為に必ずついてくるのが荷物です。
その荷物が軽くなったのだから旅自体が楽になります。ほんと当たり前なんですが。
寄り道しやすい
荷物が軽い事で、あそこはなんだ?と思った時にそこまで歩く余裕が生まれます。
10キロ以上の荷物を背負っていると1キロも1メートルも歩く距離を無駄にしたくないのです。その考えが変わったので旅自体に余裕が生まれたように思います。
予定の変更が柔軟にできるようになった
荷物を減らしてから歩く距離が増えたかというとそんなこともありませんでした。
ただ、夕方にもう少し進んでおきたい!とか、雨が降りそうだ急ぎたい!と言った予定の変更がかけやすくなりました。
人との交流
重い荷物を持っていた時も比べて立ち止まって人と話す機会が増えたように思います。荷物の余裕は心の余裕に直結するように思いました。10キロの荷物を持って立ち話、よりも7キロの荷物で立ち話の方が楽です。
お遍路はお寺回りではない。遍路道こそがお遍路です。遍路道を楽しむ余裕が生まれたことが一番よかったことです!
自分の歩いた道が遍路道
以上が、歩きお遍路の荷物事情でした。私が歩いたのは3月末から5月という天候にも恵まれた時期だったので以上の荷物で歩くことができました。
また、車中泊生活がメインということで妻にに応援に来てもらったタイミングで荷物を変更できました。車中泊のメリットですね!
ということで誰でもできるか、全ての季節この荷物で歩けるかと言われたら難しいと思います。ただ荷物の見直し、軽量化は旅の充実度に直結します。少しでも身軽に、安全性も考慮して四国のお遍路を満喫してください。
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